その65 |
照り返しについて
|
投稿日:2007/09/30(Sun) 20:10:00 |
明るい人と一緒にいると楽しいですよね。まるで照明に昆虫達が惹きつけられていくかのように大勢の人達が自然に集まってくる。ニコニコ笑顔にみんながついて行きたくなる。…そこには何か楽しいことが待っているような気がする。
さて、「おかあさんといっしょ」という番組は、これはどのお兄さんお姉さんも笑顔が絶えないですね。弘兄も現役の頃から、そしてご卒業後の現在に至るまで、笑顔を絶え間なく振りまいてくださっているお兄さんです。
話が随分前にさかのぼりますが、番組を観始めた頃にこんなことをボンヤリと考えたことがあります。「どんな状況でも笑顔でいなければならないから、あの職場は大変だ。」と。
実際にこれは、観たことがあるわけではないですが、出演者のお兄さん達は、面白くないことがあったら、セットの陰でダンボールを蹴飛ばしたりすることがあるかもしれません。またお姉さん達は、悲しいことがあったら、化粧室でソッと涙をぬぐうこともあるかもしれません。…あっ、もちろん、仮のお話ですよ。でも、例えば、そういうことがあったとしてもいいじゃないかと思うんです。人間だから色んな出来事ってありますよね。そこをグッと堪えて、皆の見ている仕事場では、終始笑顔を絶やさない・・・。
ところで、個人的なことですが、最近これまた「笑顔」って大切だなあと周りの人達を見ててツクヅクそう思う機会がありました。楽しいとき、愉快なときに笑う。それはそれでとても盛り上がって楽しいんですが…。苦しくても、笑う。
これは随分昔ですが、私も苦しかったときに、ニコッとしていたら、相手が素晴らしい笑顔でニコッと返してくれたので、その意外性に思わずハッと驚いたことがあります。笑顔を頂くと、こちらの荒んだ気持ちがホッとほぐれますね。
さて、ここで話が突然脱線しますが、太陽の光が一番照りつけるのはいつかというと、夏は夏至の6月、そして冬は冬至の12月ですね。しかし、実際に一番暑いのは7、8月、そして寒いのは1、2月。一度地面に照りつけた直射日光が、地熱で暖まり、その結果、一番暑く、そして寒くなる月がずれるわけです。何でいきなりここで「地学」の話なんか持ち出すのだ!と自分でも唐突に思いますが(汗)。
相手がニコッと笑ってくれる。直射日光のようにそれを浴びるのはとても気持ちいいですね。そして、こちらもニコッと返す。笑顔が反射していき、その結果、笑顔が広がっていく。まるでジワリジワリと地面が地熱で暖まっていくように。それは「微笑み返し」(キャンディーズ? 南海キャンディーズの方じゃないですよ)、あるいは「照り返し」とでもいうような…。
楽しい気持ちの「笑顔」、「笑い」って伝播するなあ〜とつくづく思うんです。ところが、また逆に「悲しさ」や「怒り」、これも残念なことにジワジワっと伝播していきますね。
話を最初に戻すと、明るい人、笑顔が絶えない人とガンガン笑って盛り上がっていくってとても楽しいですね。ただ私は、それ以上に素晴らしいのは、つらい状況のときだと思うんです。つらいときには、皆がドンヨリと重く暗くなり、どんどん沈みこんでいきます。そういったときに、苦しくてもニコッと明るい笑顔を返されると、何かそこに希望があるような気がする。そういった人と一緒だと何か打破してくれるんじゃないかと思う。ここでマイナスの波及がストップされて、プラスの方に逆回転していく気がするんです。
これはよく知られているように、弘道お兄さんは、ご就任当初の初収録でお父様がご逝去されるという最大のご不幸がありました。また収録中、お腹が壊されていても「はぁーい!」と冷や汗をかきながら笑顔で収録をこなしたというエピソードも語られました。ご卒業後は、マッスルミュージカルの本番で骨を折られる大怪我を負われました。
でもそんなときでも、今までずっと長い間、気丈に笑顔を絶やさずに振りまいてくださいましたね。山有り谷有り、どんなときにもです。…何か結婚式の祝辞のスピーチに似てますが(汗)。話を戻すと、これって素晴らしいことだと思うんです。大勢の方々が、テレビ等のメディア、そしてイベント等で、その絶え間なく安定した暖かい笑顔にずっと癒されてきたと思うんです。そして及ばずながら私もそうです。
番組をご卒業後、民放にご出演されても、ありがたいことに、この笑顔のトレードマークは、お兄さん、変わらないですね。春になると地面から芽がニョキニョキっと出てくるように、徐々にみんなに暖かさが伝わり笑顔の芽が広がっていく「照り返しの笑顔」って、いつの時代になっても皆さんが求めてらっしゃるし、そして、かげかえのない大事なものだと思います。
|
|